皆さんこんにちは、わらみんです。
本日2023年7月29日で「無敵級*ビリーバー」「未来ハーモニー」のリリースから3年ですね!おめでとうございます!(あっという間すぎる…)
早速なのですが、この2曲についてはある共通点が存在します。
それは、「メインとなっているステージがどちらもレインボーブリッジである」ということです。
という訳で今回は、虹ヶ咲における「レインボーブリッジ」に焦点を当ててお話していきたいと思います。
①「無敵級*ビリーバー」と「中須かすみ」
まずは「無敵級*ビリーバー」と「中須かすみ」の2つの観点から考えていきます。
いきなりの質問になるのですが、「無敵級*ビリーバー」って「中須かすみ」の曲だと思いますか?それとも「かすみん」の曲だと思いますか?
考え方はもちろん人それぞれあると思うのですが、私がたどり着いた答えは
「中須かすみ」と「かすみん」の狭間の曲
この曲についてはどちらの曲か正直断定できないんですよね。歌詞が「中須かすみ」が発した言葉なのか「かすみん」が発した言葉なのかが未だにハッキリしていないので…
ここで先程私が述べた答えです。もう少し付け加えるとするなら、「中須かすみ」が「かすみん」になろうとしている途中の曲なのではないかというのが私の考えです。
かすみはサビ中にメインステージにもなったレインボーブリッジでパフォーマンスをしていたわけですが、ここでポイントになるのは、「かすみがどちらの方角を向いてパフォーマンスしていたか」ということです。
下の4枚のシーンを見てみましょう。
かすみの背後にはビル群らしきものが見えますが、少なくともこの景色はお台場で見られるものではないので芝浦側を背にしていると考えるのが妥当でしょう。
「努力しても追いつけないのな」
『ううん!弱気で凹んでちゃダメ』
「私にだってできるはずなのにな」
『超絶 誰より イチバンだもん』
この世界中でたった一人だけの私を
もっと好きになってあげたい
(「無敵級*ビリーバー」より引用)
MVと鍵括弧の使い分けの2つの視点からこの歌詞を見てみると、イマのかすみの迷いに対して、未来のかすみが激励(エール)を送っているようにも思えます。
また、鏡越しに向かい合った2人のかすみが手を握り合っているシーンでは、「イマのかすみ」視点から見た場合だと「未来のかすみ」から差し伸べられた手を掴み、「未来のかすみ」視点から見た場合では迷いを抱えてもがいていた過去の自分自身を受け入れているかのように見えました。
上のシーンにおける2人の立ち位置を図で表すとするなら下のようになるでしょうか
理想の自分になろうとして何度も躓き凹み、だけどそれでも挫けることなくなりたい自分になろうと未来に向かって全力で突き進む中須かすみ。かつてそんな自分がいたからこそ「かすみん」というスクールアイドルになることができている。だから過去の自分を受け入れることができている。芝浦側=過去を背にしているのは、かすみが自身の過去を全て背負っていることの象徴なのかなとも思ったりしています。
「無敵級*ビリーバー」におけるレインボーブリッジは「中須かすみ」から「かすみん」への架け橋としての象徴とも言えるのではないでしょうか。
③「未来ハーモニー」
次に未来ハーモニーについてお話していきましょう
この曲は2020年時点と2022年時点でレインボーブリッジの立ち位置が大きく変わっていると思っています。(下図参照)
2020年に披露された「未来ハーモニー」では「無敵級*ビリーバー」のかすみ同様、お台場方面に向かってパフォーマンスしています(上図1枚目)。アニメを控えていた虹ヶ咲にとって、これから新たな物語が始まっていこうとしていく中で、虹ヶ咲は「お台場」という「未来」に向かっていくような、そんな感覚になったのを今でもはっきり覚えています。
そして2022年の「未来ハーモニー with YOU」が流れた2期11話では、海浜公園から果林がメッセージで1stライブの提案をした後に同好会のメンバーがそれぞれの場所から果林たちのもとへ集まっていってます。更に、皆が集まり切ったシーンでは13人がレインボーブリッジを臨むような形となっています(上図2枚目)
ものすごく簡潔にあらすじチックなものを並べましたが、「未来ハーモニー」のMVと「未来ハーモニー with YOU」が流れたシーンの2つに共通している部分といえば「同好会がレインボーブリッジ方面に向かって走ってきている」ということです。
同じようなシーンではあるのですが、それぞれが持つ意味合いには違いがあると思ってます。
まだはっきりとした答えは出し切っていないのですが、私なりの考えを述べさせていただきます。
まず「未来ハーモニー」について
サビまでのシーンの流れを整理してみましょう。同好会のメンバー9人がそれぞれの色の流れ星に気づいて、全員がレインボーブリッジに向かって走っていきます。やがて9つの光が集まった時、虹色に輝き始めたレインボーブリッジの上で同じ衣装をまとった9人がパフォーマンスを始める。というものです(すごくざっくりした感じでまとめてしまいましたが…)
このシーンが持つ意味、それは「バラバラだった9人の中にそれぞれ夢ややりたいことが見つかった(流れ星に気づいたシーン)結果、夢を叶える場所=スクールアイドル同好会に集結した(レインボーブリッジに集結したシーン)」ではないかと考えました。
やりたいことはバラバラでも、叶える場所は同じである。そんなメッセージ性を感じるようなMVでした。
次に「未来ハーモニー with YOU」について
このシーンでは、1stライブ開催をみんなで決める瞬間はお台場海浜公園からレインボーブリッジを臨むような構図となっています。この時のレインボーブリッジは、「イマ→未来」を繋ぐような役割を持っているのではないかと考えます。
イマを全力で楽しむ決意をして、果林の中に新しい夢が生まれたことに呼応するかのように点灯したレインボーブリッジ。
ひとつの種類じゃなくて一人一人が違う私たちで
目を開ければ見えてくる
新しい未来が
夢を見る度に色が増えていく
(テレビアニメ2期11話「過去・未来・イマ」より引用)
「イマの同好会」が叶えたい新しい夢ができたとき、「みんなで」未来に向かって走り始めたのではないでしょうか。
違いとは言いましたが、「無敵級*ビリーバー」然り「未来ハーモニー」然り、「なりたい自分」や「叶えたい夢」に近づいたときに虹色に光り輝くという点では共通している部分ですね。
②渡った者と渡っていない者
さて、ここまでレインボーブリッジについて「無敵級*ビリーバー」と「未来ハーモニー」それぞれの観点から触れてきました。
ここで私が気になっていたことが1つあります。もう見出しタイトルから予想できているかもしれませんが、
レインボーブリッジを「渡り切った」メンバーってそんなにいなくね?
アニメにおいて私が観測した範囲だと、渡り切っていない(途中までは進んでる)、もしくは渡る直前だったパターンが存在していて、それが1期4話の愛と2期11話の果林です。そして渡り切っているのが2期11話の彼方とエマです。
1期4話にて、愛はランニング中にレインボーブリッジを渡ろうとしている途中でエマと合流し、会話を交わした後で引き返してお台場方面に向かっていきました。
このシーンとレインボーブリッジにどういった関係を見出したのか、私なりの考えを述べていきます。
※ここからは少々強引な考え方に思われる方もいらっしゃるかもしれませんがご容赦ください。
引き返したポイントはエマと言葉を交わした場所になるわけですが、愛の心境変化をセリフと愛のランニングコースを基にして考えていきます。
正解が一つなら分かりやすいよね
スポーツにはルールがある
でも愛さんたちの目指すスクールアイドルにはそういうのが無くて、自分ひとり
愛さんだけでどんなスクールアイドルがやれるのかな。
愛さんの正解って何なのかな
こんなこと、今まで考えたことなかったよ
(中略)
同好会の皆が悩んでるのって、自分を出せるかってことでしょ?
今までいろんな部活で助っ人やってたけど
考えてみたらみんなと一緒にやる競技ばかりでさ
いやぁ、めっちゃハードル高いよね
(テレビアニメ1期4話「未知なるミチ」より引用)
愛のランニングコースにおいて、レインボーブリッジを通るルートはお台場側から芝浦側に向かうルートだと考えられますが、これはソロアイドルにおける自分の在り方に対する悩みを抱えたまま時間が過ぎていってることを表現しているのかなって思いました。
しかし、レインボーブリッジの途中の会話で出てきたエマの言葉が愛にとっての「気づき」のトリガーになっているのかなって思っていて
私たち、いろいろあってようやくスタートラインに立ったばかりなんだ
きっとみんなが不安で、でも本当はそれと同じくらいこれからに期待していると思うんだ。
そうじゃなきゃ悩まないもの
まだ、一歩を踏み出す勇気が出ないだけ
(テレビアニメ1期4話「未知なるミチ」より引用)
この後にエマが愛に、愛が来てから同好会のメンバーに笑顔が増えたことを伝えるシーンがあるのですが、これによって愛は吹っ切れることになります。
そんなことで良いんだ!
「誰かに楽しんでもらうことが好き」
「自分が楽しむことが好き」
そんな「楽しい」をみんなと分かち合えるスクールアイドル
それができたら、私は未知なるミチに駆け出していける
ミチだけに!
(テレビアニメ1期4話「未知なるミチ」より引用)
「誰かに楽しんでもらうことが好き」「自分が楽しむことが好き」そして楽しいを分かち合いたいという想いに気づくことが愛にとってのスタートラインなのではないでしょうか。
だから愛は再びスタートラインとなる「お台場=イマ」に向かって駆け出して行ったんじゃないかって思うんです。
一連の流れを図にすると次のようになります
ここでは「お台場側=イマ」「芝浦側=未来」として話を進めています。
まとめると、愛は自分自身のこれからに漠然とした不安を抱えつつ過ごしていましたが(「お台場=イマ」から「芝浦方面=未来」に向かって足を進める)、エマによってソロアイドルとしての自分がやりたいことに気づき、ようやくスタートラインに立つことができた(レインボーブリッジの途中で引き返し、再びお台場方面へと向かっていった)。これが私の考える4話の愛の心境変化とレインボーブリッジの関係についてです。
2期11話後半にて果林はゆりかもめのお台場海浜公園駅で降りています。実際の景色から果林が乗ってきた便は新橋方面行きのものと推測できますが、実はお台場海浜公園駅と芝浦駅の間にレインボーブリッジがあるんです。
先程と同様「お台場側=イマ」「芝浦側=未来」と仮定して話を進めていった場合、果林は未来に向かうことを躊躇していることの象徴的な表現をしているように見えました。
ここでもう一つ注目してほしいポイントがあって、彼方とエマは逆方向からゆりかもめに乗ってきて、海浜公園駅で降りる果林を目撃しているシーンです。
逆方向の便ということはすなわち、彼方とエマは芝浦方面から移動してきたということになり、2人はレインボーブリッジを渡ってきたということになります。
証拠として海浜公園に一人佇む果林のもとへ駆け付けてくるシーン、実際の場所を基に方角を特定した場合、2人は台場駅方面から向かってきています。
ゆりかもめの豊洲行の便は芝浦ふ頭→お台場海浜公園→台場の順で停車するので、お台場海浜公園駅で果林を目撃→台場方面から向かってきた=2人が乗っていたのは豊洲行の便であるということがわかります。
このことから彼方とエマは「未来」から「イマ」に戻ってきたということになります。
未来から時間を巻き戻すことは出来ないだろと思った方もいるかもしれません。もう少し2期11話に踏み込みつつ話を進めていきましょう(この話を振り返るときは決まって感極まってしまうのですが、できるだけ冷静に…)
注目してほしいのは、劇伴「Crossing」です。
この劇伴については私が以前書いたブログの中で詳しく語らせていただいておりますので、是非そちらの記事もよろしくお願いします!
上の記事の一部で「Crossing」には「航海=海を横切る=レインボーブリッジを渡る」といった意味が含まれているのではのではないかというお話をしたのですが、果林の行動と心理を紐づけると、「レインボーブリッジを渡る手前の駅で降りる=迫る卒業に対する憂いや未来に対する不安から、先へ進むことを躊躇う」ということが読み取れるのではないかと考えます。
そしてこれに対して、レインボーブリッジを渡って果林のもとへ駆けつけた彼方とエマからはどのような心情が読み取れるでしょう。
おそらく彼方もエマも果林と同じように未来に対する不安は抱えていたのだと思います。だけど、果林と違うのは彼方とエマが「『容赦なく過ぎ去る時間』というものに対してどう向き合っていくか」という課題に対する彼女たちなりの答えを持っていたことです。その答えとは「イマに全力で向き合うこと」。
その答えを持ったうえでエマと彼方は、未来に向かう途中で立ち止まってしまっていた果林のもとへ向かうために一度海浜公園に向かったと考えられます。そしてその答えは2期11話に至るまでの間で見つけることができていたのかなって思っています(この辺の説明はまだ固まっていないし伝わりにくかったら本当に申し訳ありません…)
以上が、レインボーブリッジを渡り切った者と渡り切ってない者の違いについてです。
④最後に
皆さんご存じの方もいるでしょうが、2024年に虹ヶ咲の劇場三部作が公開されることが発表されています。
ティザービジュアルがこちら
(誰とは言わんがめっちゃ強そう)
レインボーブリッジのてっぺんに上るのにどうやって許可を得たのかという疑問はひとまず置いといて、ここでも気になった点は「彼女たちが向いている方角」です。
先程、「未来ハーモニー」や「無敵級*ビリーバー」では芝浦側を背にしてお台場方面を向いているという話をしましたが、今回はお台場側を背にしています。
自分の見解なのですが、2期11話から更に未来に近づいているのではないかと考えています。つまり先程同様、「お台場=イマ」「お台場の外=未来」と置き換えることができます。
※ここからは一部OVAのネタバレ含みます
OVAでエンドロールが流れた後のシーンにて同好会の部室に「SCHOOL IDOL GPX」と書かれた封筒が置かれていました。
GPX=グランプリの略なのかなって思っています(Xは結局分からずじまいでした…)。すなわち同好会は何かの大会に挑むのではないかと予想しているのですが、もしそうだとしたらそれまで「対外的に競い合う」ことが無かった同好会にとって、すごく大きな展開ではないでしょうか。だとするとお台場の外を見ている表現にも納得がいきます。劇場版3部作ではどのような展開が待ち受けているのか、今から楽しみで仕方ありません!
ここまで「レインボーブリッジ」について私なりの考えを書かせていただきました。言葉足らずで伝わりにくかったらほんとに申し訳ありません…
タイトルにもあるように、虹ヶ咲におけるレインボーブリッジは「時を繋ぐ橋」の役割として過去とイマ、そしてイマと未来を繋ぐ。そんな存在なのではないかと思っています。
彼女たちが橋の向こう側にある未来に辿り着いたとき、そこにはどのような景色が広がっているのでしょうか。
…と言いたいところですが私は以前、下の記事で「未来と呼ぶ時間にたどり着いた時そこはイマになるため、本当の『未来』には永遠にたどり着けない」と述べました。なので、「未来に辿り着いたとき」というよりは「向こう岸にある未来がはっきりと見えたとき」と言ったほうが正しいかもしれませんね。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。最後に、私から皆さんに質問させてください。
皆さんは虹ヶ咲においてレインボーブリッジってどんな役割をしていると思いますか?
P.S.
そういえば、劇場3部作のキービジュアルで13人が向いていた方角を特定しようと地図アプリを動かしていたら面白い事実を発見しまして
13人が向いている方角を更に直線で辿っていくと、
直線状に東京スカイツリーがあるんですよね
(多少ずれがあるかもしれませんが)
これって単なる偶然なのかな、それとも………
はい、本当に終わろうと思います